陶芸ギャラリー
全国公募 横浜陶芸展
入賞・入選作品 最新
入選
総評
丹澤 裕子(日本工芸会正会員)
コロナ禍を経て5年ぶりの開催となった全国公募横浜陶芸展、今回からプロアマ問わずの公募展になりました。テーマは横浜ラーメン鉢。器の種類が限定された中で独創性に溢れた面白い作品が入選する一方で技術的に洗練された作品がやや少ない印象があります。大賞は麺鉢の内側に海から見た横浜の風景が朧げに浮かぶ情緒豊な作品が選ばれました。準大賞は二作品の間で選考が難航し、新たに審査員特別賞が設けられ賞を分け合いました。
梅津 庸一 (美術家)
全国各地から集まった作品をたいへん興味深く見た。「陶芸とはなんだろう?」粘土をこねて各々が好きなものを作る。けれどもそこには先人たちが作った規範やさまざまなルールも存在している。そこから逸脱しても、秩序の中で鍛錬を積んでも良い。生み出されたものは日常で使う器になったり、芸術性を帯びたオブジェになったりもする。「つくること」は孤独だが最も人とのつながりを感じられる営為であると僕は信じている。
小澤 忠(横浜市陶芸センター長)
2018年『横浜アマチュア陶芸展』以降コロナ感染拡大の影響を受け公募展の開催が困難な状況が続き、今回の公募展は5年ぶりの開催となりました。今日、世界的気候変動やウクライナをめぐるグロ-バリズムとそれに飲み込まれまいとする国家との対立などが生活の根幹を揺るがす潮流となって人間の食や生活に影響をあたえております。今回の公募展は『食』の基本的な器の形である『ラーメン鉢』をテーマに募集致しました。応募作品数は132作品(11都府県)からのエントリ-があり、20代から80代までの幅広い年齢層からの応募がありました。大賞を受賞された佐藤啓子さんの『みなとみらい横浜』は時代を感じさせられる淡く儚い心象風景が評価のポイントとなりました。準大賞山口千絵さんの『大きなにんじん』は食料調達に寡黙に働く兎が面白く、また、今回審査員特別賞を受賞された小川重則さんの『横浜夕景鉢』は麺鉢らしからぬ柔らかいフオルムと斬新な絵付けと色彩が評価されました。
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